クトゥルフが目覚める前に
アークライト社が最近力を入れている《マーダーミステリー》の普及の一環として、カードのみを使ったシンプルで安価なミステリー謎解きゲームのシリーズとして展開を予定している《ミステリーポータブルシリーズ》に先駆けて、何と先行版のセットが一式丸ごと《すべて無料!》で提供されるという太っ腹なサービスが提供されました。
アークライトの専用ページからダウンロードすると、全30枚のカードデータ(両面)がフルカラーで入手できるだけでなく、ルールブック、解答編はもちろん、何と切り抜いて組み立てれば、ちゃんとした箱パッケージ(キャラメル箱っぽいけど)も完成するという優れもの。
こういうサービスは非常に嬉しく、さっそくダウンロードして、上質紙に高解像度で印刷。カードはていねいに切り抜いてスリーブへ。箱は厚紙で作り、解説と解答はテキストデータからカッコよくルールブックに仕上げてみました。
■セットの内容
テーマはもはやホラーミステリーの定番《クトゥルフ神話》ものです。
恐怖の海底都市《ルルイエ》の浮上と、それに伴うクトゥルフの覚醒を阻止すべく5人の探索者が活動しているのだが、それに必要なアイテムである《星のナイフ》が行方不明になってしまった!ナイフを隠した人物は?その目的は?というお話です。
クトゥルフファンならニヤニヤしそうな定番的設定に期待が膨らみますよね♪
しかも、ルルイエの浮上阻止までの猶予時間が30分しかなく、リアルタイムでこの30分以内に謎を解かねばならないのです。
■ルールはものすごくシンプル
ルールは拍子抜けするくらいシンプルです。(誉め言葉)
5人の探索者(すべて色にちなんだ名前が付いているので、カードのシルエットの色と合わせて非常に区別しやすい)から聞き取りを行った《証言内容》が書かれた30枚のカードを伏せて全部並べて、それを好きなようにめくって内容を確認し、その内容から状況を皆で協力して推理していく。これだけです。
証言の内容は、《日記》《信念》《悪夢》《ナイフ》《調査》《記録》の6分野に分かれており、これが5人分あるのでちょうど30枚というわけですね。(全部伏せた状態でテーブルに並べたらセットアップ完了なので、準備の手間も無きに等しいです。素晴らしい!)
これを皆で眺めながら、「次はどれを調べようか?」とカードを選んで、断片的な手がかりを集めてゆく。
これが非常に《調査活動》っぽい!!
下手なルールで「調査判定に成功?」とかやるよりも、よほどシンプルでいい感じ。
証言のテーマが前述のようにあらかじめカード表に書いてあるから、証言内容を見て、次の対象者と内容を選んでいけるようになっているのです。
こんなシンプルな方法があったのか!とちょっと感心。
■難易度は低め
謎解きミステリーゲームの《入門編》として作られているので、あえて難易度はかなり低く抑えられており、規定時間の30分以内に謎を解くのですが、何枚のカードをめくったかで《成功ランク》が分かれている形になっています。
真相の答え合わせも、あらかじめ解答の文章フォーマットが用意されているので、この空欄にすべて言葉を当てはめて、解答とほぼ一致していればOKです。
非常に簡単。
我々はノリノリでカードをめくり、「ふむふむ」「おお、そういうことね」「えー、もしかしたら…」と快調に進行。
一番の成功レベルであるカード15枚まででいったん止めて相談。
答え合わせに突入し、見事正解♪
みんなで拍手で終了しました。(実質24分くらい)
ちょっとあっさりしすぎたかな、という感じですが、なにせ導入用の無料版。文句を言ったらバチが当たりますね。(笑)
捕捉
謎解きゲームの宿命で、《ネタバレ厳禁》なので、このゲームも御多分に漏れず1回しかできません。
楽しかったので、この後リリースされる本シリーズ3本も購入を考えていますが、3つそろえると6000円を超える…。
コスパ的にはどうかなあ…と、ちょっとだけ悩んでしまいますね。
(余談。3作ともテーマも雰囲気も全く異なるところがいいです。クトゥルフもいいのですが、女子連中はパンツネタに興味深々です。たぶん彼女らが誰か買うんではないかと。笑)
レビュー
基本情報
日本語表記 | クトゥルフが目覚める前に |
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英語表記 | Cthulhu ga mezamerumaeni |
参加人数 | 1人〜5人 |
プレイ時間 | 45分前後 |
発売日 | 2020/1/1 |
特徴 | クトゥルフ神話 現代 カードゲーム 協力プレイ 推理 謎解き |